2013/11/15(金)ゲームの流儀

読書「ゲームの流儀」(太田出版2012年)取材・文 多根清史、宮昌太朗、志田英邦、結城昌弘

 太田出版刊行のコンティニューという雑誌で、2001年から2007年にされたインタビューを収録。10年も前のインタビューをなぜ刊行したのかよくわからない。

 取り上げられているゲームタイトルが自分と相性がよかったというか、ゲームとともに育ってきた自分がよく知っているものばかりで楽しめた。でも、前提知識がない人だとつまらないかもしれない。

 ゲームクリエイターの幼少期はどうだったとか、ゲーム会社に入社した動機にどのような環境や人間関係に職場の雰囲気はどうだったのかなど、管理職かそれに近いリーダー的な役職についた人たちが多く、職人気質でやる気にあふれた人たちばかりで読んでいて気持ちがいい。収録したセレクトがうまかったのもあると思う。インタビュアーもゲームに詳しく、先読みした質問をしててなかなかにスキルが高い。


・岩谷徹 パックマン、リブルラブル、動作からゲームを発想。警察につかまる作業をさせられるとんでもない会社だった。

・遠藤雅伸 あっさり入社できた。最初はゲームテスターをしてていろんなバグ技を発見。ゼビウスでは自由にやらせてもらえた。大量のバックボーンを設定した。動物番長。

・坂口博信 FFの映画。アルバイトとして入社してずっとその心持ち。ダメ元で作ったFF。ナーシシベリ。ボーッとしてた。エバークエストは日本人は仕事をしているみたいなプレイスタイル。

・糸井重里 MOTHERの話。

・仙波隆綱 メタルブラックの奥行きのある設定。逆襲のシャアのメガ粒子砲。ガンフロンティア。

・仲村浩、森田典志、塚田みさき データーイースト。エドワード・ランディ、チェルノブ、カルノフ、ファイターズヒストリー、裁判。ミゾグチの声。

・前川正人 コナミ、バッキーオヘア、魂斗羅スピリッツ、あまり売れなかった。独立したくて貯金して会社を設立。セガに飛び込み営業。作家性の強い個人制作のゲームが多い。ほとんど一人で開発する環境だからコストがそれほどかからない。趣味はゲームとしかいいようがない。

・海道賢仁 地獄めぐり、ナイトストライカー、キャメルトライ、ソニックブラストマン、サルゲッチュ。

・井上淳哉 東亜プランは第二志望の会社でシューティングは嫌いだった。ドギューンのデモ、漫画家との二重のわらじ、エスプレイド、ぐわんげ、絵の作り込みにこだわった。

・安田朗 両親が画材を買ってくれて絵に自信があって、学生時代にいくつかの受賞。彼女の家にすんでてパジャマでカプコンの面接で、お金がなかったので日払いにしてもらった。プライドと自虐精神。アメリカウケを狙ってのファイナルファイトのプロデュースでは、効率よく生産性をあげて短期間で完成させた。スト2のプロデュースをして爆発的に世界的にヒット。一人になってイラストの仕事をするのが幸せ。

・丸山茂雄 とにかく食べるために働くというのが第一で、仕事を選ぶということが考えられなかった時代だった。音楽プロデュースでヒットする方程式が見えたときに仕事がつまらなくなった。理不尽なことで頭を下げたくない。下げるべきところでは下げる。

・須田剛一 職を転々として葬儀屋をやったりして、プロレス好きがよかったのかヒューマンに採用。プロレスゲームの制作。スミスというキャラクタ。ムーンライトシンドローム、シルバー事件、自治体の怖さ、花と太陽と雨。

・桝田省治 「俺が一番だ」と思っている人たちが集まってるわけじゃん。そうすると上には上がいるってことに気付く人が、二~三割はいるんだよ。気付かない人たちが失敗して、気付いた人はディレクターになれる。「だって、僕はすごい優秀な学生で、何をやっても二番か三番だったんだよ。そうするとトップとの差が、その位置にいるとよくわかる。でも、七番とか八番以下の人には、わからないんだよね。」、天外魔境、ヘンなゲームはまかせとけ!のコピー。カットするのが好き。暴れん坊プリンセスは戦闘が極端に少ない。俺の屍を越えてゆけ、小説家として、まおゆう魔王勇者は10年後を見据えた多面展開をした。

・芝村裕吏 自衛官から転身。ゲーム会社の統率のない体制に怒っていた。ゲーム理論。ロータスシティ。ガンパレ。絢爛舞踏祭はゲームの閾値をギリギリ超えてしまって評価不能とも。

・上田文人 絵に興味があって、そこに引っかかるゲームを選んでいた。アミーガのCGをつくるバイトをしてて、こっそり作った作品でワープに採用された。ICOとワンダと巨像。

・奈須きのこ 学生時代に武内崇と出会ったことでプロを意識するようになった。D&Dのシナリオを完徹で仕上げて仲間に披露していかに興味をひくかを学んだ。菊地秀行と新本格との出会い、小説を書いても規定枚数をオーバーしてて投稿できなかった。同人で配布したが5部だけ。ホームページでは人気があった。月姫を800部販売したが、経済的には困窮してて兄弟の借金も返せず、両親も養っていたので進退窮まった。とらのあなから発注が連続できて、どうにかなった。空の境界とかベッタベタの王道ですよ。
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